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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】


『仮にそうだとして、どこへ戻るつもりだ? 姉を手にかけ、妹を殺しかけておいて……誰がオマエを受け入れる?』

 ビクッと反射的に肩が跳ね、詩音は宿儺を見上げた。

『もはや、オマエに戻れる場所など存在しない』


 ――「一番 愛してるのは、詩音だよ。今も昔もこれからも、それだけは“絶対”に変わらない」


 そうよ。

 詞織は あたしを愛してくれてるわ。

 たとえ――……。


 瞬間、詞織を刺した感触が蘇る。

 驚愕に見開かれた夜色の瞳――その光景が脳裏を過ぎり、詩音は握りしめた手を震わせる。


 本当に……?


 ビルから墜落していく詞織を、伏黒は躊躇いなく追いかけた。


 あたし以外にも、詞織を守るために命を懸けられる人間がいる。

 あたしの居場所なんて、最初から……。


 砂利を踏み締める音に詩音は顔を上げた。目の前には、いつの間にか宿儺が立っている。彼のその紅い視線から逃れるように、詩音は俯いた。


 もう、何も考えたくない……。


 無意識に地面に爪を立てる。引っ掻かれて抉れた地面の跡を、詩音は茫然と見つめた。

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