第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】
「あなた、悠仁くんに言ったそうじゃない。自分と宿儺を同一で考えるなって。宿儺のやったことは宿儺の罪。あなたが背負うものじゃないわ。それに津美紀も……」
「違う! 僕と悠仁は違う!」
星良の手を振り払い、星也は拒絶を示す。
「津美紀を殺したのは僕の術式だ。僕が殺したのと変わらない……!」
『――そうだ』
ゾッと萎縮した空気と共に、宿儺が割って入ってきた。
『伏黒 津美紀を殺したのはオマエの術式――オマエが殺したんだよ……!』
ゲラゲラゲラッと顔を歪め、宿儺は声を上げて大嗤いする。
「宿儺……!」
星也を庇うように前に出ようとする星良へ、宿儺が紅い瞳を向けた。
『そして、オマエの術式が最愛の姉を殺す』
ザンッと詩音が変じた紅い刀を無造作に斬り上げる。
「星良ちゃん……!」
鋭い痛みが首を駆け抜けた。血飛沫がくっきりと見える。
「星良ちゃん……星良ちゃん……!」
星也が縋るように伸ばした手に、星良も伸ばした。けれど その指先は届くことなく、刀が胸に突き立てられ、追撃に身体が悲鳴を上げる。
「あ……あぁ……っ!」
夜色の瞳を揺らす星也に声を掛けようとするも、ヒュッ…と喉から空気が漏れるだけだった。
――だめ……意識が……星也と切り離される……!
星也が頭を抱え、身体を震わせる。
そして――……。
「――――――……ッ‼︎」
声にならない悲鳴と共に、星良の意識はその場から追い出された。
* * *