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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】


『星良!』

 ドサッと地面に叩きつけられた姉へ詩音が呼びかけたが、返事ができる状態ではないようだ。

 妙だな、と宿儺は痛みに身体を震わせる星良を見る。

『オマエ、呪字を身体に刻んでいるはずだろう? どうした?』

「……今日は……刻んでないわ。“縛り”だって言ったら……分かる?」

 万との戦いに備えたものか。
 その甲斐なく、こうして殺されるわけだが。

 フラリと立ち上がった星良が、ゲホッと血を吐き出す。

「あなたにとっては羽虫程度の あたしを捨て置かないってことは……あたしは、殺すだけの価値があるってことかしら……?」

『頭はよく回るようだな』

 ククッと嗤うと、星良はおもむろに筆や呪符を捨てた。

「殺すなら一思いに やってちょうだい」

『なんだ、もう諦めるのか? つまらんな』

 ため息と共にそう言うと、彼女は小さく笑う。

「星也も勝てない相手に、あたしが勝てるなんて思ってないもの。でも、あたしは凡庸だけど、神ノ原一門の術師としての誇りはある。無様な死に方をするつもりはないわ」

 妹の前だしね、と少し茶化すように詩音へ軽く視線を向けた。
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