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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】


「元々 津美紀に会いに来たのよ。そしたら あなたがいた。でも、ちょうど良かったわ。あなたにも会いたいと思ってたから」

 星良が札と筆を構える。その衣の袖が、風に大きく煽られた。


「――参ります」


 ビュッと風を切り、白い雷を纏いながら霊符が飛んでくる。


「【霊符展開『神雷』――急々如律令】!」


「【聖観音――急々如律令】」


 印を結び、宿儺は防御結界を展開した。不可視の壁に阻まれ、【神雷】が霧散する。

 先ほど飛び退いて躱したのを見て、【神霊】による攻撃が有効だと判断したのか。やはり、愚かではないな。

 だが、正の呪力を使う分、消耗が大きいはずだ。ならば、こちらは呪力効率のいい式神や言霊で押し切る。


『【勾陣・白虎――合成天将「白金(しろがね)」】』


 現れた巨大な猛虎を前に、星良が小さな巻物を広げて筆を走らせた。


「【書字具現術『猛虎』】」


 巻物が姿を変え、体格のある虎へと変じる。そこへ さらに、【頑強】、【突進】と字を重ねた。

『力比べが成立すると思うのか?』

 宿儺の号令に【白金】が地面を蹴る。同時に星良が召喚した猛虎も走り出した。二体の虎が額を合わせて拮抗する――だが、それも長くは続かなかった。

 パンッと黒い墨が弾け、星良の呼び出した猛虎が消し飛ぶ。

 そして、そのまま【白金】は星良へ突進した。勢いよく突き上げられ、星良の身体が宙を舞う。
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