第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】
『【勾陣・白虎】――合成天将「白金(しろがね)」】』
ズルッと地面から巨大な猛虎が現れた。額に太い角を持ち、反り返った牙、腕や足には鋭い棘を持っている。
【白金】の踏みしめた地面が大きく抉れ、万に向かって走り、勢いよく突き上げた。
「舐めんじゃ! ないわよ‼︎」
折り返して突進する【白金】の角を両手で掴み、万が投げ飛ばす。
【合成天将】――察するに、二体以上の式神を掛け合わせた星也の拡張術式。
性質を掛け合わせているのなら、十二天将 最速を誇る【白虎】の突進力が、闘争を司る【勾陣】の能力で底上げされている。
それに、今の【白虎】は風を使っていない。能力の足し引きの関係で、純粋な膂力も上がっているようだ。
【白金】に突き飛ばされた万へ、大量の式符が襲いかかる。ただ敵に向かって飛ぶ、撹乱のためだけの簡易式神。
「どこ⁉︎ なんで⁉︎ なんで隠れるのよ! やましいことがあるの⁉︎」
そこへ、輝く軌跡を描きながら、宿儺が【騰蛇】の頭に乗って上空へ上がった。