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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】


『ところで、俺もオマエに聞きたい』

 観客席から万を見下ろし、宿儺は口元に歪んだ笑みを浮かべる。

『後々、と言っていたが……この後があると思っているのか?』

 初手、先に万が動いた。黒い液体金属を構築し、それをうねらせながら宿儺へ伸ばす。攻撃を躱せば、今度はそれを足場に使い、こちらへ蹴りを放ってきた。

 連続して繰り出される蹴りを素手で捌き、宿儺も攻撃の隙をついて万の腹へ蹴りを放つ。だが、万の術式により生み出された厚い板が、宿儺の蹴りを防いだ。

「“天使”がいたでしょう? アイツ、アナタに気づいてなかったんじゃない?」

 互いに距離をとったところで、万が腹の板を投げ捨て、口を開く。

「でも、アタシは気づいたわ。なぜだと思う?」

『いちいち反応を求めるな』

 煩わしくて顔を顰めると、万は頬を染めて続けた。

「愛よ、愛。戒律とそれからくる憎悪では、愛を超えることはできない」


 ――ねぇ、宿儺。


 うっとりと名前を呼ばれ、宿儺は冷めた視線を万へ返す。

「アナタを殺すのはアタシでありたい。アタシを殺すのはアナタであってほしい。それでも、アタシが勝った後 生きていたら、アナタはアタシに何をくれる?」


『――全て』


 短く答えてやると、万は目を見開いた。
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