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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第24章 グラーヴェに堕ちゆく【浴】


「あら? その子にしたのね」

 宿儺が詩音と仙台のサッカースタジアムを訪れると、グラウンドの真ん中で万が出迎えてきた。

『色々あってな。面(ツラ)も良いし、それなりに満足している』

「顔なんて好きに戻せばいいじゃない。それだけ受肉体へのアドバンテージは あなたにあるはずよ」

『それは万、オマエも同じだろう』

 万の顔も宿儺と同じように、受肉体である伏黒 津美紀のままだ。

「ふふっ。考えることは一緒ね。この方が後々 都合がいいもの。それより……」

 言葉を区切り、万の視線が詩音へ向けられる。

「その女、誰よ。当たり前みたいに宿儺の隣に立つなんて」

 万の殺気に怯んだ詩音が宿儺の衣を小さく掴み、背中へと半身を隠した。

『勝手に俺の玩具で遊ぶな。オマエには関係ない』

「はぁ⁉︎」

 逆上する万を平然と無視し、宿儺は『詩音』と名前を呼んだ。

『万程度に怯むな。底が知れるぞ』

『う……うるさいわね』

 無造作に詩音の手を解き、万へ向き直る。

「何よ。アタシを差し置いてイチャついてくれちゃって」

『どこをどう見たら そう見えるんだ?』

『勝手な妄想しないでくれる? 気色悪い』

 ガタッと観客席に腰を下ろし、詩音は顔を顰めた。
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