第23章 最悪のブレイク【浴/自浄自縛】
「魂うんぬんの話を期待してるなら、役に立てないんだけど」
「垂水先輩と同意見なのは とっても不本意だけど、あたしも」
二人の話に、東堂は「ふむ」と首を傾げた。
「真依を生き返らせたんだろ。何か分かることがあるんじゃないのか、垂水? 自分の魂の一部を式神に預けていたという話も聞いたぞ」
「ボクの術式はできた。それだけの話さ。詳しい理屈なんて知らないよ」
「垂水先輩が知らないことを、あたしが知ってると思う? 呼ばれた意味があったのかしら?」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ東堂たちを、虎杖は遠い目で眺める。そこへ、「おい」と背の高い男が現れた。
「札埜さん。どうしました?」
乙骨が名前を呼ぶ。話によると、東京第2結界で星也と戦った泳者で、神ノ原一門の祖先である安倍 晴明とも深い関わりがあるらしい。
札埜の視線が詞織に向けられ、伏黒がそれとなく彼女を背に庇う。
「オマエ、晴明の子孫――神ノ原 星也の妹だな」
「……そう、だけど……」
返事をした詞織にすぐは答えず、札埜は虎杖の手から九十九の書物を取り、パラパラと軽く目を通した。
「この辺りのことなら、晴明が研究してたはずだ。神ノ原一門なら文献も残ってんだろ。オマエ、なんか知らないのか?」
「……文献は全部 兄さまが当主として管理してた。でも、姉さまなら……」
さらに、カツカツと革靴を鳴らしながら新たな人物が現れる。