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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第23章 最悪のブレイク【浴/自浄自縛】


「でも、本当に運が良かったですね。甘井くんの術式で受け止めて、星良さんのところに運べたからこそ……」

「あと、これは確実ではないのだが、髙羽――彼が傍にいてくれたことが大きい気がする」

 そこまで話し、一瞬の静寂の後に乙骨が改めて口を開く。

「早速で申し訳ない。今後の方針のために確認したいことがある」

 そう前置きし、乙骨が“天使”を呼んだ。

「君は宿儺のように、他の人間に乗り移ることは可能か?」

『結論から言うと、無理だ』

 “天使”の回答は、決して想像していなかったことではない。

 この問いはすでに、“天使”と同じく受肉した過去の術師である札埜にもしており、家入たちの推測を補強する形となった。

『私を含め、なぜ多くの古の術師が羂索の誘いに乗ったかというと、誰も死後 呪物に成る方法なんて知らなかったからだ』

 “天使”の言葉に、「だよな」と札埜が頷く。

「けど、宿儺は知ってた……いや、違うな。宿儺も知らなかったはずだ。ヤツも羂索の誘いに乗って呪物になった口だろ。だからこそ、器の方は【死滅回游】に登録されてたんだ」

『そう、宿儺も我々と同じ。だが、【堕天(宿儺)】は一度 経験しただけで掴んだのだろう。自らの魂を呪物として切り分ける方法を』

 “天使”の推測に、札埜が眉を寄せて低く舌打ちをした。

「じゃあ……」

『あぁ。私たちの仕事は、五条 悟の封印を解くまでだ』

 そこで、華が動かない己の右腕を見つめ、左手で触れる。

「……星也は? 星也は……どうなるの……?」

* * *

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