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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第23章 最悪のブレイク【浴/自浄自縛】


「……これで羂索は、宿儺たち以外の泳者を一掃すれば、【死滅回游】を終わらせることができる、と」

 憂憂の隣を歩きながら、真希は「そうだな」と相槌を打つ。

「おそらく、それが同化の条件だったんだろうな」

「シンプルになりましたね。もうゴチャゴチャと考えながら戦う必要はない」

「あぁ。羂索と宿儺たちを倒せば、あたしたちの勝ちだ」

 そこで、真希は顔を上げた。一拍 遅れてカツンと靴音が響く。

「随分と簡単に言うわね。相手が誰だか分かってて言ってるのかしら? 『五条 悟を殺す』って言ってるのと変わらないわよ」

「真依」

 真希は憂憂の隣を離れ、片割れに駆け寄った。

「垂水はどうした? 一緒じゃないのか?」

「やめてよ。あの人とセットみたいな認識」

「実際 そうだろ」

 長距離を離れたら垂水の呪力供給が途切れ、真依の身体は再び死体へ戻る。垂水が前線復帰できないのは それが理由の一つだ。

 それとは別に、常時 真依へ呪力を回している分、今までと同じ出力で術式を使えないという問題もある。

「施設内だけなら どれだけ離れてても平気よ。それより……」

 真依が話を戻そうとしているのが分かり、「問題ねぇよ」と真希は言い切った。

「その五条 悟が復活するんだ」

 星良たちの活躍で来栖 華は一命を取り留め、封印解除の要である“天使”はこちら側にいる。五条の復活は目前まで迫っていた。

「……今のあたしにできることは何もないわ。それでも……」

 真依が真希の手に触れる。その手には、布の掛けられた一振りの刀があった。

「ちゃんと連れてってよ。一人で戦うなんてナシだから」

「分かってる」

 禪院家の連中を片づけるときも一緒だった。これから先も……。

 刀を握り直す真希に、「分かってるならいいのよ」と真依はそっぽを向く。そして、この先を憂うように不安そうな表情で俯いた。

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