夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第21章 声にならないラメントーソ【熟む〜呪胎戴天-伍-】
「【九相図】――脹相の話だと、【薨星宮】に羂索が現れ、交戦になった。結果、九十九サンは敗れ、天元サマも取られた。脹相は間一髪、外に逃してもらえたみたいだね」
逃がされた脹相は再び【薨星宮】へ戻り、瀕死の九十九を連れてここへ来たようだ。
「羂索はどうなった? 師匠が戦って一方的にやられることはないだろう。倒せたのか?」
「―― “加茂 憲倫”は生きてる! それだけは分かる……だから‼︎」
叫ぶように言う脹相が黒いキューブを握りしめる。
「羂索の目的だっていう“慣らし”は終わっちゃったんでしょ。大丈夫なのかな?」
「今、真希が結界に入ってこっちの情報共有と結界内の確認に行ったわ。幸い【獄門疆『裏』】は無事だったし、五条先生を助ければ状況もまた変わるはずよ」
不安そうに眉を下げる綺羅羅に、真依も固い声音で応じた。
「話は分かった」
東堂は身を翻し、治療室を後にしようとする。それを「おい」と垂水が呼び止めてくる。
「どこ行くつもりだよ」
「羂索を探しに行く。師匠をこんな目に遭わせて、黙っていられるか」
そこへ、家入が「よせ、東堂」と短く声をかけてきた。
「冷静になれ。特級の九十九さんがここまで追い詰められたんだ。そんな相手に片腕――その上 術式もなしに行ってどうする? 死にに行くようなものだ。医者として許可できない」
家入の言葉にいくらか頭が冷え、東堂は深く息を吐き出す。
「今は金ちゃんたちが動くのを待つしかないかな」
「星也さんと乙骨くんもいるわ。信じて待ちましょう」
綺羅羅と真依の言葉に、東堂は奥歯を噛み締めるしかなかった。
* * *