夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第20章 星のイラート【星と油】
「……たまげたね、実際」
ふぅ、と息を吐きながら羂索は手を払う。
「なぜ……」
瓦礫の上で天元が愕然と呟いた。
「……術式反転か」
「いや。今までの“重力”が術式反転だ」
虎杖 香織――彼女に刻まれていた術式【反重力機構(アンチグラビティシステム)】。順点では心許ない出力と発動時間制限を、自身の肉体を領域とすることで底上げした。
「賭けだったが、上手くいった。本当に肝を冷やしたよ」
本来なら世界中を巻き込む自爆を、天元の結界と本人の意志で ここまで抑え込んだ。そのおかげと言った方がいいかもしれない。
そう話しながら、羂索は【薨星宮】を進む。
「随分と派手な余興だったな。貴様の退屈な人生の贖いのようだった」
不意にホログラムのように天元の姿が割れ――そして消えた。
まるで神木のように聳え立つ幹の割れ目に人影を見つける。それは、屍蝋化した天元であることは、言うまでもない。
「さらば――……友よ」
うずくまるように横たわる天元へ、羂索は小さく言葉をかけた。
* * *