夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第20章 星のイラート【星と油】
ガラッと瓦礫が震える。なけなしの力を振り絞り、どうにか瓦礫を押しのけた。
「はっ……はっ……うぅ……っ」
立ち上がろうとして力が入らず、九十九はその場に崩れ落ちる。
「はぁ……はぁ……天元……」
人の気配がない。羂索は去った後だ。
ならば、天元を奪われていると考えた方がいいだろう。
不意に自分とは違う呪力を感じ、九十九は眉を寄せた。
それが何か気配で探り、自分の右手に意識を向けると、そこに見覚えのある紋章が淡く浮かんでいる。
「これは……神ノ原一門の、家紋……」
――「好きな女のタイプ……せっかくだし、もう一度 聞かせてもらおうか。前に聞いた『特にない』から変わったかい?」
――「全て終わったら教えます。同じ答えしか返せないかもしれませんが」
天元と話して【薨星宮】を出るとき、星也は握手を求めてきた。単なる激励だと思ったが……あのときに術式の仕込みを……?
「全く……粋なことをしてくれるじゃない、か……」
それでも 立ち上がることはできず、九十九の身体は傾ぎ――再び意識が途切れた。