夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第20章 星のイラート【星と油】
――ボンッ!
羂索が手を振り下ろすと床が大きく抉れ、九十九の身体が瓦礫に呑まれた。
同時に、天井にピシッと亀甲状に亀裂が入り、おぞましい大樹が消えていく。
「【空性結界】ごと私の領域を解体したか。歳相応の意地を見せたな。だが、もう遅い」
空間がパキパキと消え、石畳みの無機質な部屋が露わになった。足元は薄く水が張られている。
羂索の視線の先では、血塗れの九十九がうつ伏せに倒れていた。
「せめて自らの領域で押し合えば、ここまで退屈な結果にはならなかっただろう。天元を信頼した君が悪い」
袈裟の裾を翻しながら、パシャパシャと水音を立てて九十九に近づく。
「天元は重要なことを隠している。【死滅回游】の――……」
不意に気配を感じ、羂索は振り返った。そこでは脊椎骨を連ねたような鳥が、長い身体をしならせている。
式神が消えていない⁉︎
式神に気を取られていると、背後でチャプ…と水音が鳴った。振り返ろうとすれば、式神が長い身体をくねらせて飛んでくる。ドゴッと突っ込んでくるのを羂索は飛び退いて躱した。
まだ意識があったか。だが、まともに動ける状態ではない。
【反転術式】も使えないことはないだろう。式神で治癒の時間を稼ぐつもりか。ならば、こちらはその間に術式を回復させてもらう。