夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第20章 星のイラート【星と油】
「アタシの術式が分からなくて近づけないか? なら教えてあげよう」
―― “質量”だ。
顔面に拳をめり込ませると、羂索の身体が勢いよく吹き飛んだ。その勢いは止まることを知らず、【空性結界】の循環定義に綻びが生じるほどまで殴り飛ばす。
術式対象の概念。その内包と外延に収まらない圧倒的質量。
自らに仮想の質量を付与する――それが九十九の術式【星の怒り(ボンバイエ)】。
【凰輪】は九十九の術式により呪具化した式神であり、九十九以外で唯一【星の怒り(ボンバイエ)】の術式対象になれる。
羂索が【空性結界】の中へ戻ってくる。
羂索は九十九を見据えた。
速度が落ちていないところを見ると、上げた質量による術師本人への影響はないと見るべきか……。
概念を無視されるとなると、渋谷で残した等級の高い呪霊は使えない。
だが果たして、自分だけでこの獣を狩ることができるだろうか。
特級の高専資格条件から考えるに、彼女には切り札となる呪力出力の高い拡張術式もあるだろう。