夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第20章 星のイラート【星と油】
「……九十九……」
「ナイスファイト! あとは任せて‼︎」
張り詰めていた緊張の糸が切れたのか。
フラリと脹相の身体が傾いだかと思うと、気を失った彼の身体が亀甲状に空いた穴へと落ちていく。
「泥くさい男はタイプだよ。それに比べて……」
穴が塞がったのを確認し、九十九は羂索へ向き直った。
「叩き直してやる」
――アタシ好みに……!
キッと眉根を寄せて羂索を睨むと、彼は片手を上げる。
「あまり近づかないでもらおうか」
空間が引き裂かれ、そこからヌッと手が出てきたかと思うと、空間を押し広げながら象に似た巨体が姿を現した。
「輸入モノだろ、それ」
「“あらゆる障害”を取り除くアジアの神の【呪い】。そう……術式対象に概念が絡む特級呪霊だ」
――お手並み拝見。
自分は動かず、こちらの手札を確認しようってか?
ナメやがって。
「【凰輪(ガルダ)】!」
名前を呼ぶと、脊椎骨が連なった鳥のような式神――【凰輪】が丸まり、その身を球体に変える。
そして九十九は、まるでサッカーボールを蹴るように【凰輪】を特級呪霊に向けて蹴り飛ばした。
――ドゴッ!
ボールを蹴ったとは思えない衝撃音。弾丸の速度で蹴り出された【凰輪】が特級呪霊を貫く。ボンッと弾けて消滅した自身の呪霊に、羂索が目を剥いた。
警戒するように身構える羂索に、九十九は迫る。