夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第19章 決死のフォコーソ【血と油】
自分は兄失格だ。
弟たちを守って、背負って、お手本になって……それが“お兄ちゃん”だ。
――「面白いと思ったから」
羂索はそう言っていたが、自分は全く面白くない。
クソみたいな親に弟たちをボロクソ言われているのに、一撃だって入れられやしない。
でも――弟たちを『面白くない』なんて言わせない!
脹相は目を見開き、己の血を滾らせた。軋む身体を無理やり起こし、足を踏ん張る。
――お前たちの力を、貸してくれ‼︎
そのとき、トンッと背中を押す気配を確かに感じた。
――「兄さん」
――「兄者」
――「脹相」
――「「「頑張れ」」」
振り返れば壊相が、血塗が、そして虎杖が、笑って見送ってくれている。
込み上げる感情のままに、脹相は「あぁ!」と力強く頷いた。
「任せろっ‼︎」
練り上げた【百斂】を両手で挟み、血のレーザービームを放つ。
「【穿血】は初速がトップスピード。一度 躱してしまえば、その後 どう軌道修正しようと そこまで怖くない」
分析通り、羂索に【穿血】を躱された――が、その血液は緩やかにカーブを描いて羂索を追いかける。羂索は呪霊を呼び出し、宙へ逃れた。
「――【翅王】!」
背中に血液で作った小さな羽を生やし、肉弾戦で迫る。防御の構えをとった羂索と拳が交わった。