夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第19章 決死のフォコーソ【血と油】
「うーん……アレは具体的に役割があるわけじゃ……まぁ、強いて言えば器であることが役割で、すでにそれは済んでるからね」
――虎杖 悠仁は始まりの狼煙なんだ。
「アレが宿儺と生き続ける限り、呪いの連鎖は止まらない。新時代の台風の目なんだ」
その言葉を最後まで待たず、脹相は【穿血】を放った。羂索は呆れ顔で半身をズラし、攻撃を躱す。
「悠仁が生き続ける限り……? 違うな」
ギリッと怒りに奥歯を噛み締め、脹相は眉根を寄せた。
「お前が生き続ける限りだろ! “加茂 憲倫”! 全ての不幸の中心はお前だ‼︎ 断じてっ! 悠仁じゃない‼︎」
何かに取り憑かれるようにして、ただひたすら呪いを祓おうとする虎杖と一緒にいた。
そうだ。ずっと見ていた。
重たい運命を背負わされた“弟”もまた、この目の前の男に弄ばれた人間の一人!
【百斂】を練ろうとして、パキパキッと足に何かが絡みついてくる。ムカデのような虫型の呪霊だ。動きを封じられたところで、顔面に羂索の鋭い拳が捩じ込まれる。
「君が斥候なのは理解している。九十九 由基に私の術式情報を少しでも開示するつもりだな。【呪霊操術】――しかも低級呪霊しか使わないよ。使う必要がないと言った方がいいかな。君たちは失敗作だからね!」
地面に伏せられ、ひたすら顔を踏みつけられる。それでも、脹相の中に『諦め』という感情が湧くことはなかった。