夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第19章 決死のフォコーソ【血と油】
「九十九 由基は渋谷で天元との同化――私の言う呪力の最適化を『術師に成る』ことだと指摘した。だが、私にとって それは同化の手前――【死滅回游】での検証にすぎない。以前も言ったが、私は彼女と違って、呪霊のいない世界なんて目指してないしね」
――「私は呪霊のいない世界も、牧歌的な平和も望んじゃいない」
渋谷での羂索の言葉を思い出す。
「けど、日本人が呪力資源として消費されることまで懸念していたのには驚いた……というより、嬉しかったな。やはり彼女の考え方は私に近い」
話がズレたね、と羂索が息を一つ吐いた。
「私は以前から術師と並行して、呪霊の可能性も考えていた」
新しい呪力の形は呪霊をもう一段階上の存在に昇華させることで生まれるのかもしれない、と。
「だからこそ、呪霊と人間の混血である君たちには期待したんだけど……ガッカリだ。普通すぎる」
「次 弟たちに触れてみろ。この余興を待たずに殺してやる」
話につき合っているのは、あくまで情報を引き出すためだ。そうでなければさっさと攻撃している。
はいはい、と面倒くさそうに返し、羂索は続けた。
「進化した天元は人より呪霊に近いからね。天元と日本の非術師の同化は、一億人の呪力を孕んだ呪霊に成ると私はみている。【うずまき】のように、何かしらの抽出も起こるかもね」
――どんな形をしているのかな。
「私は今、白い画用紙の前でクレヨンを握りしめた幼子のような心持ちだ」
カシャンッと再び亀甲状に空間が砕け、元の空間に戻った。