夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第19章 決死のフォコーソ【血と油】
――11月16日 00:00
薨星宮直上
――カシャァァァン‼︎
乾いた音共に空間が砕け、夏油 傑の姿をした男――羂索が押し入ってくる。その羂索を、脹相は無感情な眼差しで迎える。
「君にはもう用も興味もないんだけどね」
「俺にはこれが、興味なのかも分からない」
ただ羂索に対する漠然とした殺意だけが脹相を突き動かしていた。
「……天元はどこにいる?」
脹相の言葉を無視し、羂索は首を巡らせる。
「あの喋る親指(天元)はオマエに会いたくないそうだ。嫌われ者だな」
「親指?」
一瞬 首を傾げた羂索だったが、天元がこの場にいないことは伝わったようだ。
「そういう君は使い捨ての前座というわけだ。せいぜい踏ん張りなよ。【死滅回游】はすでに役割を終えた。日本にいる非術師の同化前の慣らしは済んでいる」
サッと顔が青ざめたのが自分でも分かった。
どういうことだ?
出まかせ……を言うようなヤツではない。
虎杖たちは無事なのか?
そんな心配をよそに、羂索は「つまり」と続ける。
「ここで私に天元を獲られたら君たちの負けだ。この国は終わり。もしかしたら世界もね」
――見せてあげるよ。終わりの可能性……その一つを。
空間に亀甲状の亀裂が入り、パタパタと空間が劇場へ変わる。
この【薨星宮】の各部屋に張られているのは【空性結界】といい、結界術に長けた者なら ある程度 中の構造を設定できるらしい。羂索ほどの術師であれば、自由に舞台設定ができる。
劇場に変わったことにはさすがに驚いたものの、脹相にそこまで動揺はなかった。
大画面モニターに九十九が映し出され、羂索が口を開く。