夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第19章 決死のフォコーソ【血と油】
「それを『理性』と呼べるなら、アタシのことは『大聖』とでも呼んで崇めろ、クソジジィ‼︎」
『もはや私に性別はないが、どちらかといえばババァだよ』
盤星教が【星漿体】の暗殺ではなく保護・隔離に舵を切っていたら、天元は彼らの味方をしていたらしい。
「昔のことを『タラレバ』言うのは嫌いなんだ」
それを聞いて、九十九はうんざりと顔を顰めた。どれだけ言ったところで、起こってしまった現実は変わらない。
『君には聞こえているんだろう? 私の中の彼らの声が』
九十九は微かに眉を寄せる。
すでに同化を果たした【星漿体】たち――その声は確かに、九十九の耳に届いていた。
『私には聞こえない……というより、聞こえるはずがないんだ。同化を果たした時点で、彼らは私なのだから。……彼らは、何と言っている?』
「教えるわけがないだろう!」
天元との同化が【星漿体】にとってどういう結末なのか教えれば――たとえそれが善(よ)いものだったとしても悪いものだったとしても、年の功でご立派な受け身をとって、悟ったつもりになるんだろう。
「――させない。オマエに楽なんてさせない」
――それが、【“元”星漿体】のアタシの責任だ。
睨むように天元を見据えた。
奇妙な沈黙が降りる中、圧倒的な気配が空気を震わせる。
『……もう少し、君と話していたかった』
周りの空間へピシピシッと亀甲状に亀裂が入った。
* * *