第14章 14.
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大学の講義が終わり、クラスを飛び出す。
(病院、間に合うかなっ)
15分くらいはいれるかも、と門まで急ぐ。
「ゆりっ」
呼び止められたことにムッ、としてしまい、(ダメだ)と深呼吸して振り向く。
「今日、予定は?」
どう?と聞く同期に、ごめんっ!と謝る。
「行く所あるからっ」
「そう...」
ごめんね!と今度は駆け出す。
「ゆり、最近付き合い悪くない?」
どう思う?と一緒にいた友達に聞くと、知らないの?と言われた。
「ゆりの彼氏、事故ったかなんかで、今、入院してんだよ」
「えっ!?」
「ずっと連絡取れずで、最近、偶然彼と中高一緒だったテニス部の人にたまたま会って聞いたら、事故って入院してるって」
「マジでっ!?」
「いまだに意識、戻ってないんだって」
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こんにちは、と緊張気味にナースステーションに声をかける。
カウンターの面会表に名前の彼の病室番号を書こうとすると、少し前の枠に、同じ病室番号で『忍足 和美・恵里奈』の文字。
(『忍足』...家族、かな?)
そう言えば、お姉さんがいるとか...と、面会表を書いて病室に向かう。
「ゆうちゃん?なあ!ゆうちゃんっ」
「侑士っ侑士ぃ」
彼の病室から聞こえた声に、まさかっ、と扉の前で立ち止まる。
「聞こえとるんっ!?なぁて!」
「わかる?ゆうちゃん!
えりちゃんの声、聞こえるのっ!?」
「聞こえとるんやろっ!なぁてっ!」
先生呼んでくるっ!と声で開いた病室の扉に、あ、と固まる。
「ごめん、ちょっとどいてやっ」
堪忍ね、と肩を押して、ナースステーションに駆けていくのは、少し年上の女性。
「侑士っ侑士ぃ」
点滴が繋がる彼の手を祈るように握っているのは、自分の母親と変わらないくらいの女性。
彼の両親や家族には会ったことが無いが、家族は、単身赴任から帰ってきたばかりのお父さん、お母さんときょうだいはお姉さんがひとりと聞いていた。確か、4つ年が離れていると言っていたから、駆けていった彼女がお姉さんだろう。
「なんや話そうしてる感じでしたっ
痙攣とかやなくて、明らかに意志で動いとったと思います」
彼と似た訛りで話す彼女と医師が部屋に入り、しばらくして病室の扉が開いた。