第12章 12.
「カレン、なしてレイに好きやって言わへんの?」
「へっ!?」
果物蜜だ、と屋台に足を止めたカレンが落としたコインを拾う。
「落としたで」
「ああああありがとう、ゆっゆっゆゆゆっ侑士」
「動揺しすぎや...」
「そっそう?そう?
ゆっ侑士がっ変なこと言うからよっ」
「別に、何も変とちゃうやろ。
カレンとレイが好き合うてても」
「すっすすすっ好き合うっ!?
そ、そそそんなわけないじゃな、無い!
レイが、レイが私を、す、す、好きっ?好きぃ?ありえないっありえない」
「自分がレイを好きや言うんは否定せぇへんねや」
「っ侑士っ!」
「すまん、すまん」
真っ赤になったカレンに、なしてレイは気づかへんねやろなあ、と笑う。
「っレイは、私のことなんて、これっぽっちも...」
「そうやろか?そうは見えへんけど」
俺も買おう、と持ってきたお小遣いを取り出す。
「俺、リンゴにしよ。カレンは?」
「私、オレンジ」
それぞれ支払い、カップに入った果物蜜を飲みながら歩き出す。
「侑士、どうして気づいたの?」
果物蜜のストローを咥えて見上げるカレン。
「んー、なんやろ。
はじめは、ホンマに仲悪いんやなぁって思っとった。
けど、よぉ見よったら、レイがカレンに突っかかるんは、たいがい男絡みや。俺と話しとったら割り込んできたり、カレンが俺ん事の世話焼いてくれると茶化してくる。俺だけやないで。シュウや空木はんとカレンが2人で話しとる時も、いっつも睨んどる。
シュウはまだ小さいし、空木はんはみんなのお兄さんみたいやからそこまで気にしてへんけど、カレンは俺ん事心配してめっちゃ気にかけてくれるから、レイは気に食わんのやろうなぁって」
そんなの、とカレンは笑った。
「レイは前からああよ。私の存在が気に入らないのよ」
「ちゃうと思うで」
おいしい、とリンゴの果物蜜を飲む侑士。
「それは、カレンの気を引きとぉてしよったんや。
今みたいに怒るようなもんやなかったと思うで。例えば...ちょっと髪の毛引っ張ったり、格好をからかったり、ちょけて見せたり。
今みたいに、カレンを否定するようなこと、言わんかったと思う」
侑士の言葉に、カレンは、そう言えば、と思い当たるところがあるようだった。
「レイ、カレンが嫌いなんやのぉて、俺とおるカレンが嫌なんや」
「え?」
