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意志あるところに道は開ける

第12章 12.


「お前、それ、告白だろ」
「告白?」

枯れた花弁を取り除き、日の辺りが均等になるように植木鉢を動かす遊木に、なして?と移動が終わった植木鉢に水をやる。

「あー、そっか。知らねぇのか。
 俺たちの習慣で、新月、月が無い日の昼間に告白すると叶うっていう、なんだ?おまじない?みたいなのがあんだよ」
「おまじない...」
「お前、石、もらわなかったか?」
「石...あっもろたわ」

これ、とポケットのそれを取り出す。

「こりゃ『蓄光石』っつってな。
 昼間、日の光が当たる場所に置いておくと、夜、光るのさ」
「石が?」
「おうよ」

見てろよ、と侑士の手から一つ石を取ると、しばらく日の下に当て、どうかな?と手の中にしまい込んだ。

片目で手の中を覗き込んだ遊木は、ほれ、と手を差し出す。

「のぞいてみな」

そっと遊木の指の間から除くと、中の石がほの青く発光していた。

「光っとる...」
「暗闇の中で光るのを、自分の中に芽生えた恋心に置き換えて、相手に贈るのさ」

返された石は、日の下で見れば何の変哲もない石ころだった。

「受け取った相手は、告白を受けるなら『蓄光石を持っている』ってことを示しながら、日中陽の下にさらして光を蓄えさせ、夜になったら指定された場所にそれを持っていく。
 溜めた光が返す愛ってこった。
 断るならどっかにしまい込んで光らないようにして返す。
 『光らない』=『応える愛は無い』ってことで返事をする」
「えらいロマンチックやなぁ」

どうすんだ?と問われ、ん?と首を傾げる侑士。

「『ん?』じゃねぇよっお前それ、もらったんだろうが」
「...あっそうや。返さなあかんのか」
「おいおい、青少年。しっかりしろぉ」

告白された実感無さすぎだろ、と遊木は呆れた声で侑士の肩を腕を回した。

「それともなんだ?
 お前、その子以外に気になって子がいるのか?」

お兄さんに話してみ?とニヤニヤした笑顔の遊木に、気になる...と考える。

「っ!いてへんよっ」
「え、おまえ、びっくりするくらい嘘ヘタだな」

マジか、と瞬く遊木。

「おらんてっ」
「嘘つけ。絶対誰かの顔、浮かんだろっ」
「浮かんでへんよっ」

蓄光石をポケットにしまい込んだ侑士。

「なるほど、それをくれた子じゃあねぇんだな」

誰だ?と邪推する遊木に、侑士は黙々と作業に没頭した。

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