第19章 19.
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「うん。水疱瘡ね」
「えー、」
紫陽の言葉に、マジかぁ、とユウを見るリナ。
「まあ、これで抗体ができるでしょうから、塗り薬で対処しましょう」
気になるねぇ、とユウに微笑みかけ、カルテと処方箋を書く紫陽。
「侑士先生、処方お願いします」
「わかりました」
受け取った処方箋をもとに、鍵のかかった薬品棚から調合に必要なものを選ぶ侑士。
「なんかさぁ」
なに?とリナを見る紫陽。
「上の代の年寄りたちはさ、紫陽ちゃんのお父さんしか知らないから、『女の医者なんか〜』なんていう人もいたじゃん?」
「そうだったわね」
「ほら!ジョージじぃなんてさっ
先代先生亡くなってから病院来なくなって、持病悪化で生死彷徨って、紫陽ちゃんに『早死にしたいなら殺してあげます』なんて言われて、それからはビビりまくってちゃーんと来てるらしいじゃん」
(先代先生...?)
調合した薬を容器に詰めながらリナの言葉に耳を傾けていた侑士は、ちら、と紫陽を見た。
「ジョージさんは、本当に父を信頼していたから」
(ドクターの、おとうはん...)
デスクの聴診器とペンライトを見た。
「医師が変わったら、不審がるのも無理はなかったわよ」
「でも、娘だよっ!?
私たちがお姫様の絵本読み始めた頃には、こーんな分厚い医学書を『おもしろいわ』って読んでた根っからの医者だよっ!?
『しょうちゃん』って可愛がってたくせに、急につっけんどんになってさ」
「『子どもじゃない』って、対等に見てくれたってことよ。
今は認めてくれているわ」
侑士先生、と紫陽に呼ばれ、詰め終わった軟膏の容器の蓋を閉めていなかったことに気づく。
慌てて蓋を手にした侑士に、そのままで、と紫陽は微笑んだ。
「こちらで確認をして封緘します。
ダブルチェックは重要なので」
「そう、でした...」
薬がきちんとできているか、確認の為に、封緘前に見てもらうのだ。
紫陽が調合した時も、封はされずに渡される。
「大丈夫?侑士先生」
「実際の軟膏の調合は初めてだから」
緊張したでしょう?と微笑んで受け取った薬を確認した紫陽は、完璧だと思います、と頷いた。
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