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意志あるところに道は開ける

第18章 18.


侑士の解答用紙の採点をする。

(本当に、よく勉強している)

記述の的確さと正答率に感心しながら、我ながら意地の悪い出題しの仕方をしたと自負しているQ5の回答を確認する。

(なるほど)

アレルゲンについて、解答欄のはじめには「小麦、乳、鶏卵」などの文言が書かれていたが、それは二重線で打ち消されており、最終回等は「∞」。そのひとことだった。

(水にアレルギー反応が出た人の例もある。
 間違いではないわ)

「終わったわ」

解答用紙を手に、侑士の向かいに座る。


「どう、やった?」

不安そうに見る侑士の目の前に、採点した回答を吊した。

「全問正解ですっ」
「っええの?」

もちろん、と机に用紙を置く。

「Q5は、ずいぶん悩んでたようね」
「出題の仕方が意地悪いわ。
 『主な』とか書いとったら最初のでええかと思うんやけど、ただ、『アレルゲンをあげよ』やったから、引っ掛けやと思うた」
「どうして、この回答にしたの?」
「ほら、前にせんせー、花粉症もアレルギー反応やって教えてくれたやん?
 埃っぽいところで咳が出るみたいなんもそうやし、空木はんはネズミアレルギーや。アレルゲン=拒絶反応を起こすもの言う意味やったら、無限にあるなぁ思うたんや。
 俺が、やたらでっかい虫見たらゾワゾワするんも、ある意味拒絶やから、アレルギー反応やと言えなくも無いやろ。
 反応が出た時に医療措置が必要かどうかは、アナフィラキシー反応の有無と度合いによるんやから、また別の話や」
「さすがよ」

よく読み解きました、と微笑んだ紫陽は、それじゃあ、とどこからか袋を取り出した。

「合格のお祝いです」

お祝い?と渡された袋を覗き込む侑士。

「これ、」
「本当は、新品を買ってあげたかったんだけど、医療品は新品を手に入れるのが難しくて...」

袋には、まっさらな白衣と使い込まれた聴診器と瞳孔チェックに使うペンライト。

「白衣は、私のお下がり。その他のものは、父のものなの。
 古いけれど、きちんと使えるわ」
「ええんですか?」
「試験は合格です。Dr.侑士。
 早速アレルギー負荷及び代替食臨床試験の実施、頑張ってくださいね」

白衣と医療具を抱き、はいっ!と答えた侑士の眦がキラリ、と光った。

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