第18章 18.
「米粉ですか?」
うん、と頷いた侑士に、そうですね、と空木は頷いた。
「小麦もコメも穀物です。
小麦のように使えないこともないですよ」
「米の粉で作た麺があるんやって。
パンも、作れるって」
図書館で見つけたレシピ本を見せると、もしかして、と空木が笑う。
「アンリ君用にですか?」
「うん...おやつも食べへんやん?
モモとリンゴとナッツも食うたらあかんのやろ?せめて、なんかアンリが安心で食べれるなんか、無いかなあ、て。
アンリがすぐに手出すん、割って中、確認したおにぎりだけやん。麺はほとんどが小麦やと思っとったけど、コメの粉で作れる麺があるんやって」
アンリ、食えへんかな?と、空木とレシピ本を見る。
「やってみますか?
アンリさんが食べられなくても、保存が効きそうですから、作ってみて損は無さそうです」
「せやけど、ちょっとでも小麦とかあるとダメなんやろ?
調理場で作って、大丈夫やろか...?」
「ナッツは殻すらダメですからね...
紫陽様に相談しましょう」
「俺、今日紫陽せんせーに『べんきょう』の時間見てもらう約束しとるから、聞いてみるっ
ええ言わはったら、空木はん、力貸してくれへん...?」
俺一人で作りきれるか不安やわ...と目を伏せた侑士。
「ダメだ、と言うとお思いですか?
もちろん尽力しますよ」
私は料理人ですから、と力強く笑った空木。
レシピ本を参考に、小麦や牛乳の代用品として、ナッツや大豆を使わない方法を考えた。
✜
米粉の麺を許可した紫陽。
「ココナッツねぇ」
「やっぱ、あかん?」
「くるみやピーナッツよりは発症率は低いとされているけれど、アンリの身体が受け入れるかは...」
「あかんかぁ...
大豆もあかんから、豆乳もダメやろ」
ナッツと豆の違いってなんやぁ、と髪を掻く侑士。
「オーツミルクなら、大丈夫なんだけどね」
「『オーツミルク』?」
「豆乳と同じプランツミルクの一種よ。
オートミールと水をよく混ぜて、濾したもの」
「それでバターって作れる?」
「油分と塩を足せば、できるんじゃないかしら?」
「油と塩...オリーブオイルでもいけるやろか?」
「やってみないとわからないわね」
「試しに作ってもええ?
材料、小遣いで買うさかい」
それなら、と紫陽。