第17章 17.
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蓄光石の事が気になりながらも部屋を片付け終わると、開けっ放しの扉をノックしたのは遊木だった。
「遊木はんっ!」
「元気そうじゃねぇの」
タッ、と駆け寄った侑士の髪を、雑に撫でる。
「あの...ホンマすんませんでした」
「人間、3つや4つや5つ、お前くらいの年頃ん時にやらかした方がマシな大人になるってもんだ」
「多ない?」
「1つや2つじゃ簡単になかったことになる。
ある程度の悪さは、いい経験になる。特に男はな」
「遊木はん、悪い人やなぁ」
「聖人君子ほど、人には話せねぇ過去があったりするのさ」
ニタッ、と笑った遊木は、おかしそうに笑った侑士越しに、片付いたか?と部屋を覗いた。
「まだ、帰ったこと、伝えてない人もいるんだろう?
紫陽様は子どもたちの勉強を見るってだから、一緒に行ってやるよ。
どこにいるか分かんねぇ人もいるだろ」
「おおきに」
「それが終わったら、畑で収穫、手伝ってくれ。
紫陽様には許可を取った」
「今日は、何とるん?」
「果物を多めにな。
多分、子どもたちは、お前が帰ってきたって知ったら『お祝いだ』って騒ぐだろうから、ちょっと贅沢にしてやろうかと思っててな」
「そんな、ええのに...」
「遠慮するな」
トン、と胸の辺りを叩いた遊木の拳。
「ずっと弁当だったから、熱い料理、食えてないだろう?
空木さんに、侑士が食べたいって言った食材をたくさん用意してくれって言われてんだ。
空木さんのあったかいうまい飯、腹いっぱい食わしてもらえ」
頷いて、少し歪めた顔を俯く侑士の肩に、腕をかける。
「よっしゃ!まずは気合入れて収穫だっ!
そうだ、お前、森で相当木の実とか見つけたらしいな。
あれ、いくつか種もらっていいか?」
「っん、種をどうするん?」
「畑や果樹園に植えて、ちゃんと手入れすりゃあ自生より多く取れるやつもあるぜ」
僅かに鼻を啜り上げた侑士に気付かないふりをしながら、遊木は話した。
「ビワとかぁ、あと、プラム、山ぶどう...
あっライチ見つけてきてたなっ
紫陽様は、ライチと塩で作るシャーベットがお気に入りだから、空木さんにおねだりしようぜ。
そんでこぼれをもらうぞー!」
「お、おー」
腹から声出せ、と脇腹を突かれ、変な声を出した侑士に、遊木の笑い声が響いた。
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