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【呪術廻戦】誰も知らない

第27章 【脹相】へる日々


誕生日当日、脹相は朝食前にメレンゲを作りに行った。
当日なのだから少しでも早く作れた方がいいだろうと思ったからだった。
八重は朝食の準備の真っ最中でろくに話もできなかったが、出来上がったメレンゲは冷蔵庫に入れてあることだけ伝えて厨房を出た。
その後は五条にサプライズしたいと言っていた八重の企みが叶うよう、五条の動向をそれとなく観察していた。
厨房に近づこうものなら阻止しなくてはと思っていたが、その日の五条は誕生日だというのに何やら忙しそうでそんな暇はないようだったので脹相が口を出すことはなかった。

昼食時に八重に会った時に、五条とは夜に待ち合わせしているとのことを聞いた。
それまでにケーキを仕上げなければと意気込む八重の邪魔は出来ないので自らも厨房に行くのは控えた。
もう今日からケーキを味見することもない。
厨房に行く用事はない。
でも。

「皿は俺が洗うからお前はもう行け」

夕食の片付けをしている八重のもとに行き、そう告げて八重の手にあった食器を取り上げた。
五条はいつ来れるかわからないと言っていたらしいからいつでも渡せるようにしておけばいいと思った。
八重の様子を見るにケーキの出来は良いらしい。
八重も早く渡したいだろう。
八重は遠慮していたが脹相も引かないので結局は脹相に任せてケーキが入っているであろう白い箱を風呂敷に包み、何度も礼を述べながら厨房を後にした。

しばらくは大量の皿を片付けるのに尽力していた。
たまに八重が皿を洗うところを見ていたのでやり方には困らなかった。
しかし、皿はかなりの量でそれを一枚一枚ちまちまと洗うのは脹相にとってはなかなか根気のいる作業だった。
八重はこれを一日三回こなして、更に食事作りから洗濯、掃除、高専の面々から個々に舞い込む細々とした願い事まで聞いているのだからその仕事量は常軌を逸している。

(もう少し意識的に休ませなければダメだな)

そんなことを考えながら手を動かし続ければあんなに大量だった皿もなくなり一段落ついた。
そうすると今度は、八重は五条にケーキを渡せただろうかと気になりだす。
待ち合わせ場所までは聞かなかったし、聞いていたとしても確かめに行くことなどはしない。
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