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【呪術廻戦】誰も知らない

第27章 【脹相】へる日々


脹相が再び本に目を落とせば、猿がページの隅で『月経前症状から月経中の不調などがあるよ!』と元気に話をしている。

「やはり生理の不調は辛いんだろうか?」

「そりゃ、個人差はあるかもしれないけど…あの八重さんが部屋に籠もるくらいなんだから相当なんじゃない?」

「そうか…今は部屋へ行かない方がいいのだな」

「うん、それがいいと思う」

「…わかった」

虎杖は珍しくしおらしい脹相に苦笑しつつ、「じゃあ、戻ろっか」と提案したが、脹相は「いや、俺はもう少しここでこれを読んでいく」と動かなかった。
脹相のそんな様子に虎杖は安心したような、そして少し呆れたような表情をすると、「そっか。じゃ、またあとで」と図書室を後にした。
虎杖がいなくなった図書室で一人、脹相の頭の中は同じような問いがグルグルと巡っていた。

(それほど辛いのに耐えるしか選択肢はないのか?)

(少しでも楽になる手段はないのか?)

(俺に出来ることはないのか?)

これらの答えがどこにあるのかもわからない脹相は図書室の本棚の並びを端から手当たり次第見て回る。
すると、先程虎杖が手にしてきた『猿でもわかる保健体育』と似た背表紙が見えた。
『猿でもわかる〇〇』というシリーズ化されているようで、かなりの冊数が並んでいた。
何気なく背表紙を見ているとその中の一冊に目が止まった。
『猿でもわかる家庭の医学』。
思わず手に取る。
表紙には元気そうな猿がナースキャップを被っている。
本を開いて目次をなぞる。

(…あった…月経痛のひどい時…)

目的のページをめくる。
具体的に何をすればいいかが書かれている。
ページの隅で猿が『冷えは大敵!』と親指を立てている。
まるでそれは八重のために何をしてやれるのかと足踏みしている脹相の背中を押しているかのようで。

(…猿、さっきは馬鹿にして悪かった…)

虎杖に『猿は傷つく』と発言した自らの非礼を詫びた。
そして脹相は猿からの教えの必要な部分だけ紙に書き写すと図書室を後にした。
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