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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


僕は小さく息を吐く。

「はい、ごめんねごめんねー」

ドアを開けた時の勢いで八重へと向い、その勢いで八重を担いで拉致する。
僕の華麗な手口に誰も止めることなく八重を連れ出すことが出来た。
僕に担がれてしばらくは放心していた八重の思考の巡りが戻ってから、今起きてることを説明してやる。

八重の正体が総監部にバレたこと。
特級秘匿物にする動きがあること。
バラした三輪は凹んでいること。

八重は即座に三輪の元に行こうとする。
ほら、そういうところ。
今はお前の方が大変なんだって。

僕はずっとどうやったらお前のことを守れるか考えてるっていうのに。
本当、そろそろ自覚しろよ。
それを言葉で、声で、表情で、目で、僕の全てで伝えてようやく八重は事の重大さがわかったようだ。
そんなことわからせた所で八重にはどうしようもないっていうのに。
だから、僕が八重に言えるのは「とりあえず、今まで通りに過ごして」だった。
八重は普通にしているだけで不思議と人の心を動かす。
だから八重は八重でいてくれるだけでいい。
あとは僕が何とかする。
もし、僕が死んだら?
いや、死んでも何とかする。

僕は刹那に近づく。
いつもよりずっと近く。
顔が触れそうなほど。
触れてしまいたくなるほど。

「こういうことされて、どう思う?」

僕はこんなに堪えているっていうのに、八重はいつもより近いって感覚しかない。
それどころか、僕の心配までし始める始末。
本当、どうかしてる。

もういっそ囲ってしまおうか。
僕しか見えないように。
逃げられないように。
そうやって誰の目も手も届かない所に閉じ込めてしまえば守るのなんて簡単なのかもしれない。

ただ、それじゃ僕が嫌悪して止まない上層部のクソジジィ共とやってることは変わらない。

だから、八重からその許可が欲しい。
僕が八重に干渉する許しを。
そうしたら僕はどんなことをしたって守ってみせる。
例えそれが八重の望むところじゃなくても。
例えそれで八重に嫌われたとしても。
どんな手段をとってでも、守ってみせるから。

だから、八重――

「僕さ、君の“特別”になりたいんだけど、ダメ?」
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