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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


「ちゃんと温かいでしょうか?」

八重が囁いた。

「あったかいよ?なんで?」

「五条さんの背中は大きいので私が“はぐ”した程度で温まるか甚だ疑問です」

「そういうのはね、気持ちだよ、気持ち」

「そういうものでしょうか?」

「そういうもんだよ」

そんな中身のない、今食べてるケーキみたいにフワッフワな話をしながら、それでも10分かかったかどうか。
最後の一口はそれまでよりも長く口に留めてたと思う。

「あー、食べた食べた。八重、もういいよ」

本当はまだよくないけど、八重から離れていかれるよりは僕から離した方がいい気がした。

「はい」

返事をして何の未練もなく離れていく八重。
いや違う、僕が離れるようにいったんだって自分に言い聞かせる。
また僕の隣に座った八重は食べ終わったあとのフォークだの箱だのを片付けてまた風呂敷で包んでいた。

今、何時だろう?
もう日付は変わったかな?
それともまだ僕の誕生日?
スマホで確認する気にはなれない。

「八重はこれから何する予定?」

「私はもう少し星を見ていようと思います」

「星を見るって屋上に誘う口実じゃなかったんだ?」

「はい。今日は星を見る日なんです」

「どうして?」

「星が、綺麗に見える日だからです」

「そっか」

「はい」

「僕も一緒に見てていい?」

「ええ、もちろん」

二人で空を見上げた。
正直、何が楽しいのかはさっぱりわからない。
でも、時が止まったような静寂は誰かと過ごすなら心地良かった。
もう少しゆっくりしたい。

「八重」

「はい」

「ベンチのそっち、端っこに座って」

「?はい」

不思議がりながらも何も訊かずに八重はベンチの端に寄った。
で、僕はベンチにゴロリと横になる。
もちろん、頭は八重の膝の上。

「これは…石抱き責めでしょうか?」

「はは、僕の頭程度じゃ拷問にもなんないでしょ」

「では、これは何のお仕置きでしょうか?」

「いや、これは僕のご褒美、かな?なんたって今日は僕の誕生日だからねー。こっちの方が星見るのも楽だし」

「あぁ、そうですか。では、どうぞ」

見上げれば視界いっぱいの星と八重。
本当、いい眺めだな。
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