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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


「ちょーっと甘さ控えめだけど、美味しく出来てる。これは成功って言っていいんじゃない?」

「本当ですか!よかったです。甘さは五条さんが全部食べても大丈夫なように少し控えめにしてみました」

たぶんだけど、そんなカスタマイズしてるから失敗に失敗を重ねてるんじゃないの?
八重が普通に作ったらとっくにお店の味になってる。
僕の為に1週間以上も試行錯誤してさ。

「八重も食べてごらん。どうせ自分では食べてないんだろ?」

八重の手からフォークを取ると僕が食べたくらいの量のケーキを八重にも向ける。
八重が僕より大口開けるなんてムリな話だから、もちろん口の周りは僕以上にクリームベッタリ。
何なら鼻にまでついてる。
僕が舐め取ってあげたっていいけど、さっき僕を拭った手ぬぐいで僕も優しく拭ってやる。
たまには世話を焼かれる側に回ったってバチは当たらない。

「ありがとう、ございます…」

ちょっとだけ照れたように笑う八重。
あー、やっぱダメだゎ。

「八重ー、伊地知の代わりにお仕置きされる覚悟、あるって言ったよね?」

再び低い声で言えば

「…はい」

と八重は表情を固くする。
僕はわざとイジワルな笑みを濃くした。

「やっぱりさ、ちょっと寒いから後ろからハグして温めてくれる?僕がケーキ食べてる間だけでいいからさ」

「え、あ、はい」

そんなことでいいのかって顔。
ちっともお仕置き感はない。

「えーっと、後ろから…抱擁…五条さんはいつもこんな感じだったような気がします」

そうして僕の顔の横から細い腕が現れて、肩に置かれた。

「…体重は預けていいから、背中にくっついて」

「はい、こうでしょうか?」

耳元で八重の声。
耳の近くだからか配慮のある囁き声。
こんな八重の声、聞いたことがない。
聞こえた方の耳がくすぐったい。
柔らかな温かさが背中に伝わってじんわりと広がっていく。
少しだけ重くなったことすら心地良い。

「うん、まぁ、そんな感じ」

いつもは僕が八重にしてること。
すごいな、八重は。
僕がこれをやったっていつも平然としているんだから。
キュッと締まる喉にケーキを無理矢理流し込み、押し広げる。
そして、僕はいつもよりゆっくりケーキを食べた。
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