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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


「とりあえずさ、ケーキ食べていい?1週間以上前からずっと食べたかったんだよね」

「あ、はい!どうぞ!」

八重は慌てて風呂敷からフォークを取り出して僕に差し出す。
デザートフォークじゃなくて、料理を食べる用のデッカイやつ。
僕が小さいフォークでちまちまケーキを食べるなんて思ってもない。
八重、わかってるじゃん。
僕は一度フォークを受け取って、どこから刺そうかケーキを見て止まった。
刺すのはやめた。
八重が不思議そうに

「どうしましたか?」

って訊いてくる。

「やっぱり、ファーストバイトは八重に食べさせてもらわないとねー」

僕は八重にフォークを返した。
八重はファーストバイトなんて聞いたことないだろうから一番最初の一口目ってことだけ教えた。

「承知いたしました。では」

とケーキの端っこから差し込もうとする。

「違う違う。ファーストバイトは口に入るか入らないかの量にするんだよ」

「え、そうなのですか?では、このくらい…」

さっきよりも少し多めの位置に刺そうとする。

「僕、もっといけるよ。この辺?」

僕がケーキの真ん中辺りを指差せば

「いえいえ、それはさすがに匙に乗りません」

「じゃあ、フォークに乗るだけいっぱいね」

「はい、やってみます」

そうして八重が一生懸命フォークでケーキの塊を持ち上げようとしてるの僕は笑って見てる。
ようやくフォークいっぱいにケーキを乗せるとフォークと僕を交互に見る。
声も出ないくらいケーキを落とさないように集中してるらしい。
口を開けるとふるふる震えるケーキが近づいてきた。
たぶん合わせてあげればちゃんと口に入る。
けど、それじゃ面白くないから口に入る瞬間、ちょっとだけ目標をズラした。
それだけで僕の口の横にはクリームがベッタリとついた。
八重は申し訳なさそうに笑うと手ぬぐいで優しく拭き取ってくれた。
…ちょっと待って。
八重に世話を焼かれるのって何かめちゃくちゃイイんだけど!
え、これ、いつも脹相が一人占めしてるの?
いやいやいや、さすがにこれ知っちゃったら僕でも妬くわー。
そんな僕の心の内なんて知らないで八重は綺麗に拭けたことに満足したように笑う。
もうそろそろ抱きしめてもいいかな?
本当に頭を抱えたくなる。
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