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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


「五条さん、今日の夜、お時間いただけないでしょうか?」

珍しく八重から話しかけてきたと思ったら、表情も言葉も堅めのこんな言葉だった。

「ん?何時?」

「いえ、五条さんがお忙しくないお時間で大丈夫です。今日は私、夜通し星を見る予定なので本当に何時でも。お時間よろしい時に屋上に来ていただければ…いえ、私が伺うのでもよろしければそちらでも」

いつもより早口で、少しだけ挙動がおかしい気がする。
何かあったの?とか、夜通し星見るって何?とか聞きたいことはたくさんあったけど、緊急でもなく夜まで待っても大丈夫みたいだから、

「わかった。手が空いたら屋上に行くよ」

と答えた。
そしたら、八重、ひどく安心したような顔で笑った。
微笑んだんじゃない。
笑った。
見た目年齢相応な顔で。
あれ?
今日、いつもと違くない?
でも、それについて聞く間もなく 

「では、夜に」

って八重は行っちゃった。
それも夜に聞けばいいか。
とりあえず、僕は夜までに今日やることをやる。
少しでも早く行けるように巻きで。

で、巻きに巻いたはずなのに屋上に足を運べたのは23時を過ぎてた。
いや、もっと早く来れた。
はずなのに、伊地知めー…
今日こそ本当にマジビンタしてやろうと思ったくらい。
いや、しないけどさ。
僕は走りはしないけど、階段を二段飛ばしで登ると屋上に出るドアを開けた。
八重は。
屋上に置かれたベンチの上に空を見上げながら寝転がってた。
ドアの開く音で起き上がり、こちらを見た。

「五条さん、お疲れ様です」

まただ。
また笑ってる。
人懐っこい感じで。

「遅くなってごめんねー。寒かったでしょ?」

12月に入って寒さも本格的になってきた。
夜なら尚更。

「いえ、昔よりも随分暖かいですよ」

「そりゃ、氷河期と比べればね」

「さすがに氷河期には生きていませんでしたよ、あはは」

え?
『あはは』?
今、『あはは』って笑った?
いつも八重が声出して笑うなんてほとんどない。
出したとしても「ふふふ」って控えめに息が漏れる程度なのに。

「ねぇ、今日、どうした?」

心で思ったことをそのまま口にしていた。
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