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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


「で、今の話、どこまでホント?」

八重の姿が見えなくなると僕は声のトーンを下げた。
それに気付いて悠仁と憂太の顔が引き締まった。

「全部本当です…」

「ふーん。じゃあ…八重が話してないこと、ある?」

「それは…」

憂太は言葉を濁すと悠仁と目を合わせて何かを確認すると、懐から一冊のノートを取り出した。
ノートをパラパラとめくり、僕に差し出してきた。
書かれていることに目を通すのに大して時間は必要なかった。

「これは?」

「はい。天元様からの情報らしいです。脹相さんに内容は確認済みです」

「あ、そ」

再びノートに視線を戻す。
ノートには『寿命の分与』と『事象の拒絶』の文字。
不老不死よりも物騒な力だ。
でも、これで八重の話を聞いた時の違和感が解消した。
九相図関連で八重は二度も中身が羂索の加茂憲倫と相対している。
二度目なんて対峙しておきながら逃げ果せている。
そんなの永く生きているだけの一般人みたいな八重では成せるわけがない。
何か決定的な力がなければ。
それが、これか。
羂索の執着は不老不死よりもこっちだろうな。
そして、八重の九相図への執着。
自分の寿命を分けててもおかしくない。

「この力、僕達が知っていることは八重は知らないよね?」

「はい。それも脹相さんに確認したんですけど、この能力のことは脹相さんにも話してないそうです」

「なんで言わないんだろうねー」

そんなのわかりきってる。
神になりたくはないんだろ。
いつだって、誰にだって、ただ隣で生きる一人の人間でありたいんだろ。

「で、二人は八重のことどう見てる?」

「俺は、渋谷でしんどい時にあったかい飯作ってもらって、本当助かった。何か…ねーちゃんみたいな…。だから恩は返したい」

真っ先に悠仁。
はいはい、“ねーちゃん”ではないでしょ。
で、憂太。

「八重さんはリカちゃんを人間の女の子として扱ってくれるような人なんです。だから…不幸にはなって欲しくないです」

随分と人誑しなんだな。
やってることは大した事ないのに人それぞれの琴線にピンポイントで触れてくる。
やれやれ、難儀なコが来たもんだ。
とりあえず、次の決戦が終わるまでは大丈夫だろうけど、問題はその後だな。
まぁ、どうにかするけど。
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