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【呪術廻戦】誰も知らない

第26章 【五条】永遠のコ


「ちょーっと僕の手に触ってみてくれる?」

八重は状況が理解できずに困っているようとだったけど、

「いーからいーから」

と更に手の平を八重へ突き出した。
八重は左手を胸の前でもじもじさせてたけど、それでも手を差し出してそっと僕の右手に重ねてきた。

無下限に無理やり押し入ってきている訳じゃない。
ゴリゴリと何かを削っている訳でもない。
ただ普通に“近づけば触れる”という理を当たり前のようにやってのけている。

僕の手の平に確かに伝わる、小さくて温かい感触。
その瞬間、不意に「あ、生きてる」って感覚があった。
そして、心の中には透明のガラス玉のようなものがコトリと落ちた。
玉は当てもなく転がって通ったところを磨き上げるもんだから、そこだけやけに目につく。

手を当ててきた本人だけ、理由もわからず戸惑ったように僕を伺い見ている。
まだ八重が何者だからわからない。
六眼をすり抜ける仕組みも、無下限を通過する理屈もわからない。
それでも、小さくて可愛い僕の“イレギュラー”。

「はは、君、ホント…面白いね」

いよいよ全く理解が追いつかない八重は小首を傾げている。
僕は八重に八重の凄さを話そうと口を開いたけど、同時に(あ、来た)って思った。

「っ五条先生!こんなところで何してんのっ?」

「お、悠仁、おはよー」

息なんて切らしちゃって、何をそんなに慌ててるんだか。
視線は僕と八重が繋がってる部分に注がれている。
何?羨ましい?

「これ見て悠仁はどう思う?」

どうとも取れる質問をすれば、変な顔して考えて「んー…仲良し、ね?」と言う。
はい、15点。

「だろ?一緒に洗濯干した仲だからねー、羨ましい?」

ニヤリと笑って見せる。

「いや…そんなんじゃ、ないけど」

羨ましいくせに。
まだまだ青くて可愛いもんだ。
それはさておき。

「ヒント!僕、術式解いてないんだよね」

そう言えば悠仁は「えっ!?」と目を丸くして、僕と八重の手を再び見た。
悠仁にも手を差し出して同じことをさせる。
もちろん悠仁の手が僕に触れることはない。
八重はお互い差し出しているのに一向に触れ合おうとしない手を凝視し、自分のと違いを見つけるのに視線を行ったり来たりさせてる。
なんか小動物みたい。
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