第25章 いとほし日々[後編]
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三輪は図書室から出て鼻歌を歌いながら廊下を歩き始めた。
そんな三輪を。
「三輪」
後ろから呼び止めた人物がいた。
「あ、学長!」
三輪はニコニコと上機嫌で自身が在学する京都校の学長である楽巌寺に駆け寄る。
「どこに行っていた?」
「今、図書室に行ってきたんですよー」
「そうか。あの、八重とかいうおなごと話したか?」
「あ、はい!すごく良い方で!内容は言えないんですけどー。あっ、でも!聞いてくださいよ、学長!実は八重さん―――」
三輪が口にする言葉に楽巌寺は長く伸ばした眉でいつもは見えない目を大きく持ち上げて三輪を見た。
八重と三輪は気付いていなかった。
お互いの話が大きく食い違っていることに。
八重がいう『秘密』は話したこと全部を指しているのに対して、三輪は八重と脹相の関係についてのみ『秘密』だと勘違いをした。
そして、その食い違いが致命的なことを。