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【呪術廻戦】誰も知らない

第25章 いとほし日々[後編]


また時をずらして。
庭で洗濯を干している八重の後ろに五条が忍び寄って「だーれだ?」と八重の目を手で覆う。

「五条さん、洗濯が干せません」

八重は両手で持っていた洗濯物を片手に持ち替えると、五条の手を優しく外した。

「また一緒に干そうか?」と八重を覗き込む五条に、「五条さんはお忙しいので私にお任せください」と洗濯物の皺を伸ばしながら言う。

「いーのいーの、今、皆、僕抜きで会議してるから〜」

「五条さんは会議に出なくていいんですか?」

「いーのいーの、僕が死んだ後の話するのに僕いたら話しづらいでしょ」

「それは……そうかもしれませんが…」

負けることは許されない次の決戦のために、皆はあらゆる手を考えている。
それは会議室であったり、ロッカールームであったり、階段であったり…。
時に場所を設けて、時に場所を選ばず、メンバーもその時々で違うが、それでも皆、戦いについて考えている。
あらゆる手を、次々と。
しかし、戦いの次の手を考えるということがどのようなことなのかを皆知っているのに口にはしない。
一番最初に対戦する五条はどんな気持ちなのか八重には計り知れない。
そんな五条を慮ろうとそっと視線を送るも。

「ま、そんな会議、無駄になるだろうけど。僕、最強だし」

そんなの当たり前といったように呆れ顔でわざとらしく鼻から息を吐く五条に、「…そうですね」と未だ五条の言葉を手放しでは喜べないといった八重。
が、次の瞬間、「あっ」と五条が声を上げた。
視線は高専校舎を見上げている。

「ほら八重、上見てみて。脹相、こっち見てるって。手ぇ振って!」

そう言われて八重も顔を上げれば、2階の窓からこちらを見ている脹相と虎杖と目が合った。
もう会議は終わったのだろうか?、お茶でも出しに行こうかと考える八重に五条が「ほらほら」と急かすので、八重は胸の前で控えめに手を振った。
その瞬間、脹相は顔を顰めてそっぽ向いて行ってしまった。

(脹相達は真剣に会議していたのに油を売っていると思われたのかも!)

内心焦って洗濯物を一度置こうとする八重に、五条は。

「だーいじょぶ。今のは八重のせいじゃないよ。たぶん僕のせい♪」 
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