第1章 炎柱は音柱を許さない 【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎】
「……ひ、あ……っ! きょう…じゅ……ろう、さ……っ!」
煉獄の指先が、火照った肌をなぞる。
それだけでの背中が大きく反り返り、悦びに震えた。
「……苦しいか、。俺を見ろ、俺が誰か分かるか」
「……わか、る……だい、すきな……わたしの、きょう、じゅろう、さん…っ。あ、はぁっ、ん、んうぅ……っ!」
涙で潤んだ瞳が、煉獄を真っ直ぐに見つめる。
その一途な想いに、煉獄の瞳にも激しい熱が宿った。
彼は、乱れた髪を優しくかき上げると、彼女の震える唇を、深く、情熱的に塞いだ。
「……覚悟してくれ。俺の熱はお前以上に、激しいぞ」
「……は、ぁ……っ、いいの……。あなたに、な……ら、あ、ぁっ、んんっ……!!」
夜の吉原。
華やかな喧騒から切り離されたその部屋で、二人は初めて、主従でも幼馴染でもない、ただ一組の男と女として溶け合っていった。
煉獄は、薬の熱で荒い息を吐くを、食い入るように見つめていた。
宇髄の手によって派手に、美しく着飾らされたその姿は、一輪の毒花のようで、同時にひどく脆そうだった。
「……。一生、この光景を忘れることはないだろう」
「きょう、じゅう、ろうさん…そんなに、見られたら……っ、は、あぁ……っ」
煉獄は震える指先で、彼女の襟元に手をかけた。
高価な友禅の着物を、一枚、また一枚と、儀式のように慎重に剥いでいく。
重い帯が解かれ、床に落ちるたびに、の秘められた肌が露わになっていった。
「……っ。あ、はぁ……っ、あつい……もっと、はやく……」
「焦るな。お前があまりに綺麗で、俺のほうが正気を失いそうだ」
最後の一枚が肩から滑り落ちたとき、そこには月の光に照らされた、神秘的なまでに白い身体が横たわっていた。
使用人として働き、煤にまみれていたはずの肌。
その内側には、誰の手にも触れられたことのない、清廉で美しい曲線が隠されていたのだった。