第5章 半冷半燃の少年は彼女を温めたい 【ヒロアカ 轟焦凍】
秋の柔らかな陽光が降り注ぐショッピングモール。
これまでは雄英の保護下、支給された服で過ごしていたいのりにとって、色とりどりのショーウィンドウが並ぶ景色は、まるで宝石箱をひっくり返したような眩しさだった。
「ほらほらいのりちゃん、こっちの店! 轟が好きそうな、清楚だけどちょっと大人っぽいデザインがたくさんあるよ!」
「あ、芦戸さん、引っ張らないで……っ」
芦戸に手首を引かれ、八百万、麗日、蛙吹と共に、いのりは初めての「お買い物」に繰り出していた。
数件の服屋を回り、両手に紙袋を持った一行が最後に辿り着いたのは、甘い香りの漂う下着専門店だった。
「……あの、ここは……?」
「ふふ、勝負服の次は『その下』も大事ですわ、いのりさん」
八百万が優雅に微笑み、淡いラベンダー色のレースが施されたランジェリーを手に取った。
「……えっ!? そ、そんな、薄い布を……」
「ダメよいのりちゃん! 轟みたいな天然男は、これくらいのギャップで攻めないと、いつまで経っても『保護対象』から進展しないでしょ!」
芦戸がニヤニヤしながら、さらに大胆なカッティングのセットをいのりの体に合わせた。
「轟さんとの、デート……。……わ、私、そんな、轟さんに変な目で見られたら……」
「大丈夫よ、いのりちゃん。轟ちゃんなら、変な目どころか、きっと固まって真っ赤になっちゃうわ。ケロ」
梅雨の冷静なツッコミに、いのりは顔から火が出るほど赤くなりながらも、今の自分に似合う最高の一着を女子たちの猛烈なプッシュにより選ぶことになった。