第8章 第8章 口下手な彼は彼女と暮らしたい 【鬼滅の刃 冨岡義勇】
浴室に立ち込める濃密な湯気と、四度にも渡る激しい情事の余熱。
お湯の熱さと絶頂の連続に、いのりの意識はついに限界を迎えた。
「……あ、は……っ、ぎゆう、さ……」
焦点の合わない瞳が虚空を彷徨い、ガクリと膝から崩れ落ちる彼女を、義勇は慌ててその腕で受け止めた。
「いのり? ………やりすぎたか…」
冷静を装いつつも、義勇の瞳には明らかな焦燥が浮かんでいた。
彼は手早く彼女の身体を真水で流して清め、自らの寝衣を着せると、手際よく布団へと横たえた。
そこへ、窓の外から鎹鴉がしのぶからの薬を届けにやってくる。
「クスリ! トドケタゾ! シノブ、オコッテタゾ!」
「……静かにしろ。彼女が寝ている」
義勇は鴉を追い払うと、小瓶に入った薬を自らの口に含んだ。
意識のない彼女に無理やり飲ませて詰まらせぬよう、そっと唇を重ね、舌を使って少しずつ、その喉の奥へと薬を流し込んでいく。
「……ん、……ぅ……」
微かに喉が動くのを確認すると、義勇は安堵の溜息をついた。
そのまま彼女を抱き寄せるようにして、一つの布団の中で眠りについた。
翌朝。
差し込む朝陽に目を細め、いのりが意識を取り戻すと、すぐ目の前には義勇の端正な顔があった。
「……気がついたか」
「義勇、さん……。あ、私……昨日、あの後……」
記憶を辿り、顔を真っ赤にするいのり。義勇は彼女の額にそっと手を当てた。
「気分はどうだ。どこか痛むか? 気分が悪いならすぐに胡蝶を呼ぶが」
「い、いえ! 大丈夫です……少し、腰が重いくらいで。あの……介抱してくださって、ありがとうございました」
申し訳なさそうに微笑むいのり。
だが、義勇の瞳は、彼女が「無事」だと分かった瞬間、昨日と同じ熱を帯び始めた。
「そうか。体調に問題がないのなら……いいな」
「え……? あの、義勇さん? 顔が近い……っ」
「……昨日はお前が気を失ったから途中で止めたが。俺は一晩中お前を待ち望んでいた」
義勇の大きな手が、寝衣の隙間からいのりの太ももを割り、昨日さんざん可愛がった場所へと指を滑らせた。