第6章 正義感の強い彼は彼女を護りたい 【名探偵コナン 降谷零】
「……くっ……」
下腹部に集まる熱い違和感。
自分の意思とは無関係に、彼女を「女」として求めてしまう身体反応に、降谷は耳まで赤く染まった。
かつて禪院家で、彼女が望まぬ暴力に晒されていたことを知っている。
誰よりも彼女を大切に、清廉に守らなければならない立場でありながら、今、自分は彼女に対してあまりに露骨な欲望を抱いてしまっている。
その時、彼女が「ん……」と小さく声を漏らし、降谷の胸にさらに身を寄せてきた。
「……降谷、さん……」
寝言で自分の名を呼ぶ無防備な唇。
降谷は奥歯を噛み締め、天井を見上げて必死に理性を繋ぎ止めた。
(……落ち着け、降谷零……。相手は病み上がりで、心に傷を負った女性だぞ……!)
しかし、腕の中の温もりを離したくないという本能が、彼を激しく揺さぶる。
国を背負う英雄も、目の前の愛らしい一輪の花の前では、ただの血の通った一人の男に過ぎなかった。
「……君は、毒すぎる……」
降谷は掠れた声で独りごちると、彼女を起こさないよう細心の注意を払いながら、昂ぶる熱を鎮めるために深く、長い溜息をつくしかなかった。
降谷が必死に理性を繋ぎ止めていたその時、腕の中の彼女が小さく身悶え、ゆっくりと瞼を持ち上げた。
「……降谷さん……? 起きて、いたんですか?」
「ああ……。起こしてしまったかな。悪いが、このまま少し離れて……」
降谷は焦燥を隠すように体を離そうとしたが、彼女は逃がさなかった。
それどころか、密着した太もも越しに、彼の「隠しきれない熱」の正体に気づいてしまう。
彼女の頬が火を吹いたように赤くなったけれど、彼女の瞳に宿ったのは、拒絶ではなく深い慈しみだった。
「降谷さん……。私、あんな酷いところから助けてもらって、ここでずっと温かいものをもらって……。ずっと、何か返したいって思ってました」
「何を言っている。君は十分……っ、おい、何を!」
彼女の細い指が、降谷の制止をすり抜けて、熱を帯びた一点を服の上からそっと包み込んだ。
「……っ、やめろ! 君は……自分が何をしようとしているのか、分かっているのか!?」
「分かってます。……降谷さんが、ずっと一人で戦って、ボロボロになって……。その体を、少しでも楽にしてあげたいんです」