第6章 盲亀の浮木
「葉月……葉月、時間だよ」
ふにふにと頬を突かれて目を覚ます。
一応起き上がって、ベッドの上で座る。
とろりとした寝起きの目で、悟さんの姿を捉えた。
ボーッと見つめ合ったまま、数秒流れた。
眠い…すごく眠い。
「遅れるって、学校に連絡入れようか?
僕も遅刻していくから!」
心配してくれていると思ったら、途端に明るくなる。
教師がそんな理由で遅刻しちゃダメでしょ…変態教師じゃなくて、不良教師だったのかな。
「今、失礼なこと考えたでしょ。
葉月のことはなんでもわかるんだからね。
――起きれそうだったら、起きてきて」
前髪を掻き上げるように撫で、額に口付けを落として寝室を出ていく。
起きなきゃな…一昨日はいろんなことあって、昨日はいろんなとこ行って、夜にいっぱいしたから、眠くて仕方ない。
副作用で気持ち悪いし、身体はだるいけど…起きないと、悟さんに迷惑かけそう。
ゆっくりベッドから降りて、リビングに向かう。
上裸の悟さんと目が合って、少し沈黙が流れた。
悟さんが着替えている。
「えっち。
冗談。おはよ」
「おはよう…」
ニコッと笑って服を着て、こちらに来た悟さんは、目元を優しく撫でた。
欠伸で出た涙を拭われる。
悟さんは、「待ってて」とリビングを出ていった。