第21章 起首雷同
そして、通知が来ているもう一つのトーク画面。
少し、……いや、かなり開くのを躊躇したその画面を指でタップすれば、文字でのメッセージは一切なく、数枚の写真だけがポンポンと無造作に送られていた。
「…………っ、」
医務室だろうか。
白いシーツに散らばる桃色の髪と、穏やかに閉じられた薄い瞼。
まるで死人のようで息が止まった白い肌には、薄く色付いた唇が生気を示すように主張していた。
──── 生きてる。
そう頭が理解した瞬間。
俺は自室を飛び出し、鍵をかけることも忘れて医務室へと全力で駆けていた。
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「ッ、ナマエ……!」
バンッ!!と、静まり返った夜の校舎に大きな音を立てて医務室の扉を開け放つ。
激しく肩で息をする俺の視線の先、デスクに座っていた家入さんは、酷く眠たげな眼をこちらへと向けていた。
「……伏黒か。ナマエなら、数時間前に五条が自室に運んで行ったよ」
そう告げた家入さんは俺から視線を外すと、目前のパソコンへと向かい、欠伸を零しながら何かしらの資料の作成を再開した。
「……すみません。ありがとうございます」
自室に連れ帰ったならそっちの写真を送れよ、と心の中で五条さんに毒づきながらも、これ以上迷惑をかけるわけにはいかないと家入さんに頭を下げる。
すると家入さんは、キーボードを叩く手を止めないまま「また詫び酒 頼んどいてよ」とだけ言い残し、ヒラヒラと手を振って俺を医務室から追い出した。