第20章 神業
───
──────
被呪者関連の調査として連れられた場所は、俺とナマエが通っていた地元の中学校だった。
卒業してまだ数ヶ月だというのに、なぜか酷く懐かしく感じる校門を抜けて敷地に入った瞬間。
俺は無意識のうちに、ナマエの教室の窓へ目をやっていた。
「おっ、分かりやすいのがいるわね!ぶん殴って更生させましょ!」
「なんで…??」
校舎を見上げながら釘崎と虎杖の後に続く。
ふと二人の視線の先へと目を戻せば、校舎の裏手で二人の男子学生が、授業をサボってこれみよがしに煙草を嗜んでいるところだった。
……要は不良だ。不良。
「「あぁ゛?………っ!!!」」
ガンを飛ばしてきたそいつらと目が合った瞬間、俺はこの後に起こる出来事を何となく察して静かに諦めた。
「「おっ、お疲れ様ですッ……!!!!」」
俺たち三人を視界に入れた途端、二人の不良は飛び上がり、吸っていた煙草を投げ捨てて足で踏み潰すと、腰を直角にへし折って深く頭を下げた。
それを見た釘崎は「何よ……分かってんじゃない」と高々と鼻を鳴らし、虎杖は「オーラってやつは、隠しても滲み出るモンだからな…」と黄昏ている。
「卒業ぶりですね!!───伏黒さん!!!」
このまま二人の妙な勘違いが進んだ状態で穏便に済めば良かったものの、現実はそう上手く行くわけもない。
身元が割れる前に、と、わざとらしく顔を背けてはいたが、不良たちの貧弱な脳みそに俺という存在は刷り込まれていたらしい。
……まあ、俺が中学時代に"やったこと"を考えれば、……この過剰な反応も仕方ないことかもしれないが。
「……俺、中学、ココ」
あからさまに説明を求める視線を向けてきた二人に観念してボソリと打ち明けてやれば、虎杖と釘崎は血相を変えて俺の両脇へとすっ飛んできた。
「それも驚きだけど、そうじゃねぇだろ!!」
「何した!?オマエ中学で何した!?」
「離せ」と言う間もなく左右から頬を力任せに引っ張られてしまえば、もうこれ以上言い訳も、説明のしようもなかった。