第20章 神業
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ナマエが補助監督の車に乗せられ、それがエンジン音を響かせて発車していくのを見届けたあと。
入れ替わるように新しく現れた一台の車の中から金髪にスーツ姿の補助監督が姿を現し、俺たちを見つけると盛大に手を振ってきた。
それに招かれるように階段を降りると、補助監督はこの場にそぐわないほどに作られた明るい笑顔で、"新田"と名乗った。
「東京校の一年生っスよね!……あれ? 事前にもらってた話より、一人足りないような……」
「急遽、特級任務に派遣されました。こっちの任務は三人で行きます」
特徴的な喋り方に疑問を抱きつつも、淡々と事実を報告すれば、新田さんは「了解っス!」と指で丸を作ってみせ、俺たちを車内へと促した。
「…なぁ伏黒。特級って、少年院のやつと同じだよな」
「……あぁ」
後部座席。
その真ん中のシートに俺が位置する形で三人で乗り込むと、不意に虎杖が分かりきった疑問を投げかけてくる。
「苧環、……大丈夫かな」
その小さな独り言に、俺も、釘崎も、黙ったまま俯くことしかできなかった。
ナマエが自分の意志で決めた以上、俺たちにそれを引き留める権利なんてない。
だから、アイツが覚悟を決めてしまう前に、引き留めようとしたというのに。
「ちょっと、男子共。辛気臭い顔してんじゃないわよ」
そう言われてもなお黙り込み、お通夜のような空気を醸し出す俺たちを横目で睨みつけた釘崎は、わざとらしく大きな舌打ちをして言葉を続けた。
「……不本意だけど、私たちの中で一番実力あるのはあの子でしょ」
「…」
「私たちは私たちの任務を ナマエより早く、完璧に終わらせる。で、帰ってきたあの子にデカイ顔してやるわよ」
特級を相手にして帰ってきた奴に向かって、そんなことができんのかよ……と、問いかけそうになったが、すんでのところで言葉を飲み込んだ。