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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第20章 神業


恵くんに部屋まで送り届けてもらい、惜しくも別れを済ませたあと。

私は私室の机に向かい、手元に残された数枚の資料と睨めっこしながら、任務の簡単な概要を読み込んでいた。


(二級相当呪霊の祓除。……被害者は、6月に森岡で、8月に横浜、9月に、名古屋…?)


既に亡くなられた被害者たちの詳細は、殺された日付も、場所も、見事にバラバラ。

けれど、ただ一点だけ。あまりにも不気味なほどに、その殺害方法だけが一致していた。


(…………三人とも玄関先で死亡。……距離を無視した、呪い)


数ヶ月前。七海さんと同行した任務の凄惨な光景が脳裏をよぎり、私は肺の空気をすべて吐き出すように深く息を吐いた。

仮にこれが呪霊の仕業だとして、私の仮説が当たっていれば、……その呪霊は二級どころか、一級に相当するのではないだろうか。


(……可能性がある以上、私はともかく他の三人は任務から外れてもらった方が───……)


そこまで考えかけて、私は強く首を横に振った。



(………いや、それは、ダメだ)



彼らも呪術師。

上層部がいくら二級相当と甘く判断していたとしても、私が勝手に先回りをして彼らを遠ざけてしまっては意味がない。


(……私はもう、誰の意思も、思いも踏み躙りたくない)


恵くんに拒絶された時も、野薔薇ちゃんに叱られた時も。

あの頃の私は、二人の気持ちを勝手に蔑ろにして、ただ『傷ついてほしくない』という自分の我儘な気持ちだけを押し付けようとしていた。

その傲慢さに気づいた時は、情けなさにしばらく頭が痛くなったし、数え切れないほどの後悔をした。



(……だからこそ、今回のこの任務は、全員の力を合わせて遂行するべき)



そう言い聞かせるように気持ちを飲み下し、覚悟を決めてひとり深く頷いた、その時。

机の上に置いていた携帯がブブ、と静かに振動して通知を知らせ、私はその送り主を確認するために端末を手に取った。
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