第19章 いつか、また
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その後、私たちは五人揃って屋台を回った。
途中、五条さんの携帯に不穏な着信音が鳴り響き、
「嫌だ!!!僕は行かない!!!なんたって有給消化中だからね!!!!」
……と電話越しの伊地知さんに吠えていたけれど、結局、「五条さんにしか頼めない」と丸め込まれ、近くの路地に停まっていた伊地知さんの車にメソメソと回収されていってしまった。
それからは、射的や輪投げで野薔薇ちゃんと勝負をして、ヨーヨー釣りのコツを虎杖くんに教わって。
虎杖くんが買った焼きそばをみんなで摘まんだり、野薔薇ちゃんとお揃いの可愛い狐のお面を買ったり。
そうして夢中で屋台を回っているうちに、履き慣れない下駄に触れた足元は、とうに悲鳴を上げていた。
それをひた隠しにして普通に歩いていたつもりだったけれど、恵くんにだけは完璧に悟られていたらしい。
気を利かせてくれた虎杖くんと野薔薇ちゃんが「コンビニで花火買ってくる!」と駆け出して別行動となった後。
私たちは場所取りのために、お祭りの喧騒から少しだけ離れた薄暗い小さな公園のベンチで、賑やかなお祭りの音を遠くに聞きながら横並びに腰を落としていた。
「……ごめんね、恵くん。せっかくのお祭りなのに。……下駄、履き慣れてなくて」
「慣れてねぇモンは仕方ねえだろ。謝んな」
そう言って浴衣の帯の隙間から手際よく絆創膏を取り出した恵くんは、ベンチから腰を上げて私の足元へと真っ直ぐしゃがみ込む。
そして私の履いている下駄の側面をちょんと長い指先で突き、「コレ、脱げ」といつも通り素っ気なく言い放った。
「どうせ鼻緒ズレしてんだろ」
「えっ、」
完全にバレている。
そう自覚した途端、それまで麻痺していた鼻緒に擦れている足の肌が主張を始めて、ジクジクとした痛みに変わった。
これ以上の痩せ我慢は無理だと観念した私は、少しだけ躊躇いながらも恵くんの指示に従い、下駄からそっと自分の足を抜き取った。
「…………我慢しすぎだろ」
「うぅ……」
私の右足の親指と人差し指の間。赤く擦れて、少しだけ皮が剥けてしまっている痛々しい部分。
それを見た恵くんが独り言のように呟いて、私は情けなく声を上げた。