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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第19章 いつか、また


「親が子供に与えるのは、当然のことでしょ」


五条さんはそう言って、額をさする私の視線に合わせて少しだけ屈み、サングラスを指先でズラす。

そして宝石のように綺麗な蒼い瞳で真っ直ぐ私を射抜き、微笑んだ。


「お前は、産まれたての雛鳥に親鳥が餌を持って帰るのを見て、雛鳥は感謝すべき!とか思う?」
「………それは思わない、けど、」
「でしょ?」


だけど私は、それを"当たり前だ"とは到底思わない。……思えない。

持ちつ持たれつ。

こんなにも大きな愛をもらった以上、私はいつか、五条さんへそれ以上の幸せを返さなければいけないのに。


「僕にとって、君たち学生なんて雛鳥同然!!よって、僕に遠慮は無用!わかった?」


パッといつもの眩しい笑顔を浮かべた五条さんは、手際よくサングラスを掛け直し、背筋を伸ばして明るく言い放った。

……まるで、これ以上気にするな、とでも言うように。


「五条さん、あっちのたこせん買ってください」


話の区切りを見て、横から恵くんが涼しい顔でひとつの屋台を指さし、"たこせん"なるものを強請る。


「……………恵。お前は遠慮を覚えようね」
「遠慮は無用なんじゃないんですか」
「確かに言ったけど!!!!!」


恵くんの反論に噛み付くように声を荒らげた五条さんだったけれど、次の瞬間は懐から財布を取り出し、やれやれと肩を竦めていた。


(……私も、恵くんと同じもの食べよう)


私は屋台もお祭りも初めてで、右も左も分からない。

だから一先ず恵くんの真似っ子をしようと巾着からお財布を取り出そうとした、その時。


「あ!!伏黒たち着いてんじゃん!」
「おっっっそい!!!この蒸し暑い中、レディを待たせんじゃないわよ!!!」


人混みの向こうから、虎杖くんと野薔薇ちゃんが既に何かしらの食べ物を持った両手をブンブンと振り、私たちの元へと駆け寄ってきた。
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